台湾発、新感覚の妖怪マンガ『203号室の妖怪さん』。夜の高校を妖怪たちが跋扈する!

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203号室の妖怪さん
作者:MAE
タイトル:203号室の妖怪さん
制作:台湾
ジャンル:学園/ファンタジー/コメディ
ページ数:198ページ

妖怪が見える以外はごく普通の高校生・鳴(ミン)は、ある日、教室に忘れた宿題を取りに夜の学校に忍び込む。二年三組の教室に入ると、そこには我が家のようにくつろぐ妖怪の姿が……。

203号室の妖怪さん
衝撃の出会い(なぜ下半身が丸出しなのかは本編でご確認ください)

何も見なかったことにして逃げ帰った鳴だが、次の日から二年三組(203号室)に住む妖怪・孰湖(ジュクコ)と、隣の教室に住む酸與(サンヨ)の二人につきまとわれることに。

203号室の妖怪さん
妖怪二人の姿は他の生徒には見えない

鳴は平和な高校生活を取り戻すため、妖怪たちのわがままに付き合うことに。ちょっと噛み合ない、人間と妖怪の不思議な交流が始まった……。

鳴
孰湖
孰湖
酸與
酸與

日本でも妖怪をテーマにしたマンガは新旧問わずたくさん出版されているが、この作品に出てくる妖怪はひと味ちがう。中国の奇書『山海経』に記された妖怪が登場するのだ。『山海経』は古代中国の地理書だが、妖怪や神々の記述も含まれており、中国神話の基礎資料となっている。日本の作品では、小野不由美の人気小説シリーズ「十二国記」が『山海経』をモチーフにしている。

『山海経』の妖怪をどう擬人化しているのかが、この作品の見所だ。たとえば、準主人公の孰湖は人・馬・鳥・蛇の四形を一身に持つ妖怪だが、巨大な蛇の尻尾と鱗を持つ青年というだいぶマイルドな姿形に描かれている。それに対して酸與は四枚の翼と六つの目を持つという設定だが、髪先が翼のように描かれているだけかと思いきや、頭の複数の目を開いておどろおどろしい姿になることも可能というギャップが面白い。

『山海経』のイメージと孰湖・酸與
『山海経』のイメージと孰湖・酸與
酸與:六つの目
酸與:六つの目
表紙にも登場している白虎
表紙にも登場している白虎

冒頭にはこの二人と一匹しか登場しないが、物語が進むと、他の妖怪たちも登場する。どんな妖怪が描かれているのかは、ぜひ本編で確認してほしい。

妖怪たちは日本の妖怪とだいぶ違うが、物語の舞台となる高校での学校生活は、部活もあり、掃除の時間もありと日本のそれとあまり変わらない。日本の読者も違和感なく入りこめるだろう。

基本的には、自由奔放な妖怪たちと、彼らに振りまわされる鳴のドタバタ劇が繰りひろげられる本作だが、種族の違いから来る擦れちがいや、妖怪が見えるという特異体質から周囲の人間と距離を感じる鳴の孤独、といったシリアスな側面も描かれる。特に終盤には、思わずホロリとくる展開もあり、一冊完結とはいえ、読み応えのある作品となっている。

 レビュアー:mayka

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